46回まちべんを開催しました!

 

●日時:平成27427日(月)18001900

場所:TTRI大会議室

テーマ:「ゾーン30の効果を高めていくための対策」

話題提供者:三村泰広(豊田都市交通研究所 主席研究員)

参加者:24

 

最初に、司会役の豊田都市交通研究所の樋口が本日のテーマについて説明しました。続いて、豊田都市交通研究所の三村主席研究員より、ゾーン30の基本的な考え方や整備状況、生活道路での速度抑制方法などの解説があり、研究所・潟Lクテック・豊田工業高等専門学校で構成される研究グループが実施した、路側に設置した電光掲示板等から車両の速度に合わせて速度遵守情報を提供する社会実験の報告がありました。この社会実験は、愛知県刈谷市と豊田市の生活道路にそれぞれ2ヶ月間機器を設置して、自動車の走行速度や交通量の変化、機器を設置した周辺住民の意識を調査しました。

議論の場では、「効果の持続性」に関する質問が挙がり、機器を付けていた2ヶ月間は走行速度を低下させる効果が継続していたこと、またアメリカの研究報告において長期的な効果の継続が報告されていることなどが紹介されました。さらに、刈谷市で本格的な設置がされたことから、今後の様子も調査しながら効果の持続性を検証できる旨が報告されました。

また、対策の効果に関して「この様な機器の費用対効果をみる場合、暮らしの質の向上便益をみるのか、公的資金による整備の妥当性をみるのか」、「速度が低下すると便益が低くなるのでは」という質問が挙がりました。様々な交通安全対策の中から効果が高いものを選択していかなければなら実情から、まずは公的資金による整備の妥当性が評価の対象となること、今回のような対策の場合、走行時間の増加による損益に比べて交通事故被害の削減による便益の方が圧倒的に高くなることが解説されました。さらに、この様な機器の効果が高まる路線として、沿道に住宅が並んだ直線の生活道路で、学校が近接されている路線での効果が期待できることなど、本実験の成果や海外の研究報告を踏まえて解説されました。

その他アンケートでは「ゾーン30の効果を高めていくためには、道路管理者や行政だけでなく、住民や地域の理解が必要であると痛感しました。」や「福祉車両を運転していると、ハンプがある場所を避けてしまう。」といったご意見をいただきました。ご参加いただきましたみなさま、本当にありがとうございました!

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