ゾーン30の交通安全性向上に向けたVR(仮想現実)の体験をしていただきました

皆様はバーチャルリアリティ(以下、VRと称する)のことをご存じでしょうか。

VRは英語の「Virtual Reality」の略語で、日本語では「仮想現実」などと言われます。ゴーグルなどを通して映像を見ることで、自分があたかも映像に映し出される仮想的な空間の中にいるかのような体験ができるものです。最近では、交通安全対策の検討にも使われており、例えば、愛知県警では高齢者向けにVRで交通事故の疑似体験ができる講習会等を実施しています1)

先日も研究所のホームページでご紹介しましたが、当研究所では豊田市井郷地区のゾーン30のエリア(時速30キロの速度規制区域)における交通安全対策の検討を行っています。この中で、2020年8月19日に開催された井郷地区の地域会議において、委員の皆さまに車両目線でのゾーン30の現状や問題点を認識していただくため、VR体験をしていただきました(写真1)。

VR体験では、車の運転席から見たゾーン30のエリア内を走行した映像をご覧いただき、道路標識や路面標示などの状況を確認していただきました。なお、VRは視覚情報と体感情報にずれが生じることで気分が悪くなることがあり、その場合は体験を控えたり中断していただきました。また、機器の消毒等、新型コロナウイルス感染防止対策を行いました。

VRを体験した直後に、実際に道路標識や路面標示があった場所などについて振り返りを行いました(図1)。体験者からは、「標識などがあったことに気が付かなかった」や「標識の角度や高さによって見えにくいものがある」など、実際の運転時の視線に近いVR映像ならではの声が聞かれました。

VR体験の終了後に、地域の交通安全対策を考えるための予備知識とするため、ゾーン30の交通安全性向上に向けた対策メニューについて紹介しました。今後はVR体験で感じたことや紹介した交通安全性向上に向けた対策メニューなどを踏まえ、ゾーン30区域の交通安全性向上に向けた方策を検討していきます。

 

写真1 VR体験会の様子

 

図1 ゾーン30入口から500m道路区間で標識がない問題を確認するためのVR映像の様子

出典1) 愛知県警察本部のHP、https://www.pref.aichi.jp/police/syokai/sho/nakagawa/katsudou/vr-koutu-anzen.html